校長ブログ 戦後80年


もう12月になり1年も終わろうとしています。今年は、戦後80年ということで、日本が行ってきた戦争について様々なことが話題になってきました。

2学期の始業式で話したことなので、少し古い(石破首相が退任したり、ガザの状況も少し落ち着いてきました)のですが、もうすぐ「12月8日」ですし、本校の中学3年生が総合学習で平和について学びまとめの時期となっているので、載せることとします。


 まだ残暑厳しい日々が続いていますね。体調崩している人はいないでしょうか。まだまだ天気予報に気をつけて生活しなければいけない感じです。

 さて、この夏は、「戦後80年」という言葉をあちこちで聞いた人もいるか、と思います。日本が国として関わっていた最後の戦争、この戦争を何と呼ぶかが問題ではあるのですが、1945年8月15日に終わったので、「戦後80年」と言っているわけです。厳密に言えば、8月15日以降にも、戦闘行為があったり、沖縄の久米島というところでは8月18日に島の住民がスパイとして日本軍に殺されたという事例もあり、8月15日で戦争が全て終わった訳ではありません。

 その後80年、とにもかくにも日本が外国から攻撃されたり、あるいは逆に日本が他国の人々を戦争という形で攻撃するということはありませんでした。今、ウクライナやパレスチナのガザで起きていることを考えるとき、戦争が無かったということは喜ばしいことですし、そのおかげで私たちがある程度豊かな生活を送れていることは間違いありません。戦争は人々の生活を、そして何よりも命をも奪うものであることを忘れてはならないと思います。

 石破首相は、この夏、8月15日の式典で「先の大戦から、80年が経ちました。今では戦争を知らない世代が大多数となりました。戦争の惨禍を決して繰り返さない。進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばなりません。」と述べました。この部分について、私はその通りだと思うのですが、では、私たちが反省しなければならないこと、教訓としなければならないことは何なのか、が問題だと思います。その中身を全面的に今、述べることはできませんが、一つ挙げるとすれば、国民の多くが政府の言うことを鵜呑みにしていた、ことがあるでしょう。後には「我々は騙されていた」という言い方もされました。

 なぜ、騙されるのか、私はそれは判断するための情報の少なさ、そして自分の頭できちんと考えていないからだと思います。現代の社会でも騙される人は残念ながらある程度の数います。「絶対にお金がもうかる」という詐欺話や、闇バイトに巻き込まれる人たちです。世の中に絶対にもうかるという話はありません。確率的にもうかる可能性が高い話はあり得るけれど、「絶対に」となったら、不正行為ぐらいしかない。闇バイトも「1日で10万円の収入」などと言って勧誘するようですが、そんな仕事はまともな仕事ではありえません。普通に考えたらあり得ないということは、自分の頭で冷静に考えれば分かるはずですが、引っかかってしまう人がいる。

 戦争の話に戻せば、戦争期の日本は東南アジアを含んだ「大東亜共栄圏」をつくるということが戦争目的として国民に宣伝されました。共栄、共に栄えるという言葉が使われましたが、実際は日本の戦争のためにアジアの資源を奪うということが目的でした。現地で日本兵が食料を奪うということもしばしば行われました。これのどこが一体「共に栄えるなのか」。

 騙されない、自分の頭で考えるためには、様々な情報を集めること、そして自分なりに考えてみることを習慣化することが不可欠だと私は思います。そのために、どのように学んでいくことが大切なのか、そのことは中学生の皆さんにも問われています。

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