3年生 社会 間接統治を体験する!?

3組の社会の授業では、植民地主義・帝国主義は何をもたらすのかというテーマで授業を行っています。2学期の前半はアフリカに焦点を当て、学びを進めてきました。

そのなかで、「千の丘の国」と呼ばれるルワンダという国に注目しています。

 

この日は、「ルールBOXゲーム」で、ある出来事を擬似体験しました。

教室では、赤、青、黄の紙がランダムに配られます。赤は大体クラスの14%ほど、青は85%、黄色はクラスで一人だけ。赤のなかで教員が指名した二人が前に出てきて、「クラスのルール」をルールBOXからくじ引きのような形で引きます。

すると、出てくるルールは「赤の人々はお菓子をもらえる」「赤の人々は試験の採点で10%配点をアップする」などなど、赤に都合の良いルールばかりが出てきます。

終わってみなにインタビューすると、「赤はずるい」「なんでそんなのを引くんだ、と赤の代表に言いたかった」と青の人は言い、赤の人々は「快感だった」「嬉しかった」などのコメントをしました。

「実際にこのBOXを作ったのは誰?」と問うと、そこで気づきが生まれました。

実は、これはルワンダを委任統治していたベルギーが行なった「間接統治」という統治の方法を再現するものでした。

ツチ・フツ・トゥワという民族構成のルワンダで、ツチとトゥワは同じ言語を話し、同じ文化、同じ宗教を信じる隣人同士で民族の区分も曖昧でした。しかし、ベルギーは鼻の大きさや身長などから、民族を分け線引きしてゆきました。

そして、少数派のツチを優遇し、民族対立を煽りルワンダ人内部で支配構造を作ることにより、ベルギーに不満がいきづらくなり支配しやすくします。ベルギーはそのような「間接統治」と呼ばれる方法でルワンダを支配していました。

「ルールBOXゲーム」では、赤は約14%のツチ、青は約85%のフツ、黄は約1%のトゥワを表しています。表には出てこないけれど実は裏でいちからルールBOXとルールのくじ引きを作っていた教員は、ベルギーの役割でした。

間接統治のもとにあった人々の心の動きを少しでも擬似体験することで、1994年に起こるルワンダ虐殺に至るまでの理解のステップにしてゆきます。

 

また、教員がルワンダを訪れた時の話やルワンダ人の友人の話もふくめ、ルワンダを単なる「遠い国の知らない場所」ではなく、自身に引きつけて考えてゆきます。

キガリの街角

キガリの街角にて

 

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